実店舗経営を行う中で、アルバイトを採用する機会は多いと思います。採用面接を実施する上でのポイントや評価基準の設定方法など、分からない方も多いのではないでしょうか。本記事では、採用面接のポイントやチェックシートも用いた評価方法について解説していきます。
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アルバイト採用面接のポイント
ここでは、アルバイト採用面接を実施する上でのポイントを解説します。
面接実施場所と時間を明確に伝える
応募フォームやSNS、電話などから応募が来ると思いますが、面接の案内には実施場所と時間を明確に伝えましょう。実施場所の指定には正確な住所を、時間指定にはAMPM表記、または24時間表記(午後3時の場合は15時)で伝えましょう。
「時間の伝え方が曖昧で設定した時間に応募者が来なかった」「店舗外での面接を設定したはずなのに応募者が店舗に来てしまった」などのトラブル防止に繋がります。効率的な面接を実施するためにも、情報はシンプルに明確に伝えましょう。
所要時間を決めて行う
アルバイトの採用面接は、10分~15分程度が一般的です。15分以内と決めて面接を設定することで、1日に複数人の採用面接を実施することが可能です。また、ダラダラと話していると最初の印象や話したことなどの記憶が薄れたり、応募者に疲労感を与えてしまう恐れもあるので、決めた時間内でおさめられるようにしましょう。
応募への感謝を伝える
面接の始めや最後に、応募してくれたことの感謝をしっかり伝えることが大切です。店舗側は選ぶ立場ではありますが、人手不足で応募をしている背景もある中、応募してくれる人には感謝の気持ちを持つべきです。また、応募者からの店舗の印象も良くなり、採用の場合は今後の関係構築に良好なスタートを切れますし、不採用の場合も穏便にお断りすることができます。
質問攻めにせず、会話のキャッチボールを意識する
採用面接は面接官から応募者への質問をベースに進んでいくことが基本ですが、質問と答えの繰り返しだけにならないように注意しましょう。例えば飲食店の場合、「飲食店でのバイト経験はありますか?」などの「はい/いいえ」で答えられる質問をいくつか行い、その後に「なぜ飲食店でバイトしようと思ったのですか?」や「今までどのポジションを担当していたのですか?」など、応募者が自分の考えや意見を答えられるような質問に展開していくと、スムーズな会話がしやすくなります。
これは、前者を「クローズドクエスチョン」、後者を「オープンクエスチョン」と言い、状況に合わせて使い分けることで初対面の相手とも効果的なコミュニケーションをとることができます。
項目 | オープンクエスチョン | クローズドクエスチョン |
---|---|---|
定義 | 答えが限定されず、自由に回答できる質問 | 答えが限定された質問(はい/いいえ、選択肢など) |
回答の種類 | 自由回答 | 短文回答(選択肢など) |
会話の流れ | 深い会話、関係性の構築 | 会話の効率化 |
メリット | 深い理解、新たな発見、関係性の構築 | 効率的な情報収集、意思決定の迅速化 |
デメリット | 回答に時間がかかる、答えがまとまりにくい、分析が難しい | 回答が限定的、ニュアンスが伝わりにくい |
例 | 「なぜ当店に応募してくれたのですか?」 | 「接客業は好きですか?」 |
マッチングの場であることを意識する
店舗側が応募者の採用合否を行う立場のため、面接官が優位な立場となりがちですが、面接は選ぶ選ばれる場という側面だけではなくマッチングする場である、という意識を持つことも大切です。
応募者に質問するだけではなく、採用された場合の業務内容や働いて欲しい曜日や時間帯、他のスタッフの年齢層や男女比など、応募者からの質問があればもちろんのこと、質問されなくても積極的に情報を提供しましょう。応募者が事前にしっかりと店舗に関する情報を持つことで、採用後の辞退や研修期間中の退職防止にも繋がります。
面接チェックシートを無料ダウンロード採用面接チェックシートを作成する目的
採用面接でチェックシートを作成し活用する目的は、大きく分けて以下の4つが挙げられます。
採用したい人物像の明確化
チェックシートを作成することで、店舗にとってどのような人物を採用したいのか、を目に見える形で明確にすることができます。どのような経験、どのような性格、どのような雰囲気か、など求めるものは店舗それぞれかと思います。どのような人を採用したいのか、ということを言語化してスタッフで共有することで効率的な採用活動に繋がります。
面接官間の評価のばらつきを減らす
どの点を重視して評価するのか、店舗としての採用におけるブレない軸を作ることで、誰が面接をしても同じ視点で応募者を評価できるようになります。採用の合否判断を属人化させないことで、ミスマッチの防止や採用後の離職率の低下にも繋がります。
新人教育の効率化
チェックシートを活用することで、採用面接の段階で応募者のポテンシャルや能力をある程度見極めることも可能です。それによって採用後の研修も効率的に実施することができ、早期に戦力化に繋げることができます。
法的な問題の予防
採用活動は、個人情報保護法や労働基準法など様々な法律・法令に関係しており、不適切な質問や行為は店舗側の大きなリスクとなります。面接終了後に、応募者から差別やハラスメントを理由に訴えられたりSNS投稿で店舗名を含む形で非難されれば、店舗イメージが低下し集客ばかりか経営にも大きく影響する恐れがあります。
チェックシートを活用し、質問内容やそれに対するメモを記録することで上記のようなリスクを防止することに繋がります。
面接チェックシートを無料ダウンロードする面接チェックシートを作成するメリット
アルバイト採用の面接において、チェックシートを作成し運用することには以下のメリットがあります。
客観的な評価ができる
応募者に対して同じ基準で評価できるため、面接官の主観や感情に寄った判断を減らし、より客観的な評価が可能になります。応募者間で公平な比較ができることで、より適正な人材な採用に繋がります。
面接を効率的に実施できる
全ての応募者に対して同じ質問をすることができ、言いそびれや聞き漏らしを防止することができるため面接の効率が上がります。また、面接官が質問内容を事前に把握することで、面接時間の短縮にも繋がります。
面接官の負担を軽減できる
面接前に質問内容を用意する、などの準備作業が削減できるため、面接官の負担軽減に繋がります。また面接結果を数値化することで採用関係者と共有しやすくなり、合否の判断も効率化することができます。
ノウハウを継承できる
使用したチェックシートを保管することで過去の面接結果を分析することができ、より良い面接を実施するためのノウハウを蓄積することができます。それをもとに質問事項やチェック項目を改善することができ、より良い面接の実施に活かすことができます。
面接チェックシートを無料ダウンロードする面接チェックシートに含めるべき項目
チェックシートに含めるべき項目は業種や求める人物像によっても異なりますが、一般的には以下の項目が挙げられます。
基礎的な項目
時間厳守はできているか
面接の時間を守れているかどうかは重要なポイントです。早すぎたり遅刻したりした場合、普段から時間にルーズである可能性があります。ちゃんと約束した時間に来ているかしっかり確認しましょう。
身だしなみは整っているか、TPOを意識しているか
服装や髪型などの身だしなみも重要なチェックポイントです。服装に清潔感はあるか、露出は多くないか、髪色や髪型はTPOを意識しているか、派手なネイルはしていないか、など店舗に合わせた判断基準で確認しましょう。
面接態度は問題ないか
しっかりと目を見て話せているか、面接官の話を聞いた上で受け答えができているか、コミュニケーションがしっかりとれているか、などの面接に臨む態度も重要なポイントです。お客様や他のスタッフとコミュニケーションがとれるのか、その視点でしっかりとチェックしましょう。
経験やスキルに関する項目
過去のアルバイト経験
これまでアルバイトをしたことがあるか、何をしていたか、などの過去の経験を聞くことも採用についての判断材料となります。例えば飲食店の接客スタッフを募集する場合、別業種でも接客経験があれば即戦力になり得ます。どのようなアルバイトをどのくらい続けたかを聞き、どの程度のスキルがあるのか判断しましょう。
所有している資格
業務内容に関わる資格を有しているのかも確認しましょう。配達業務が発生する職種であれば、自動車やバイクの運転免許は必須条件になりますし、外国人観光客が多く来店する店舗であれば、TOEICの点数も採用の判定基準となるでしょう。
人間性に関する項目
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力については、あるか否かをダイレクトに聞いても確証性がないため、面接内の受け答えや表情などから判断することをおすすめします。あえて雑談を振ってみた際の反応や、あまり業務には関係ない趣味などについて質問することで、コミュニケーション能力を確かめることができます。
問題解決能力
トラブル時の対応能力や新しい仕事への順応性などを見るために、問題解決能力をチェックすることも重要なポイントです。過去のアルバイト経験や部活動において直面した困難とその解決方法について聞き、どの程度問題解決能力があるのか確認しましょう。
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面接チェックシート作成のポイント
アルバイト面接チェックシート作成のポイントについて解説します。
採用したい人物像に合わせた質問を作成する
接客業ならコミュニケーション能力や問題解決能力、調理スタッフなら調理経験、事務なら正確性など、求めるスキルを明確にしておきましょう。スキルだけはなく、店舗の雰囲気や価値観に合う人、長期で働いてくれる人など求める人物像を明確にし、それが判断できるような質問を作成しましょう。
質問の意図を明確にする
作成する質問は、意図が応募者にしっかりと伝わるように曖昧な表現は避けるようにしましょう。例えば協調性の有無をチェックしたい場合、質問に「協調性」というワードを使うのではなく、「チームで連携した経験」や「柔軟性」など具体的に分解して質問を設計します。それにより応募者も答えやすくなり、効率的で良質な面接が展開できると思います。
客観的な評価ができるようにする
属人的で主観的な評価ではなく、客観的な評価をできるようにすることがチェックシートの大きな役割のひとつでもあります。特に複数の面接官が対応する場合には、客観的な評価ができる仕組みは必要不可欠です。各項目に対して1~5の評価点数やABCのランクなど、誰が見ても明らかな評価形式にしましょう。
評価基準を事前に決めておく
チェックシートで評価を付けていくためには、評価基準を事前にしっかりと明確にする必要があります。評価基準が曖昧なまま面接を進めてしまうと、面接官によって評価が異なったり、面接官の個人的な感情が合否に関わる可能性が高くなります。効率的に確実な採用を行うためにも、評価基準の策定は時間を掛けて決めていきましょう。
評価基準を決める際のポイントは下記図をご参考ください。
さいごに
アルバイト面接のポイントや面接チェックシートの重要性、チェックシートの作成ポイントについて解説しました。採用活動は、店舗の運営や成長においてとても重要なプロセスです。良い人材を採用するためにも、チェックシートを活用して効率的な採用活動を目指していきましょう
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