飲食店における外国人雇用は、人材不足の業界の中で多くのメリットをもたらす一方で、文化や言語の違い、在留資格の手続きなど注意するべき点も多々あります。本記事では、外国人雇用のメリットや注意点、採用ステップを詳しく解説します。
【行政書士監修】外国人採用に関する資料を無料ダウンロードする目次
飲食店の現状
飲食店は慢性的な人手不足とされ、外国人雇用は貴重な労働力確保の手段として注目されています。
人手不足の現状と課題
厚生労働省の調査によると、「宿泊業、飲食サービス業」における2023年の離職率は26.6%と、「生活関連サービス業、娯楽業」に次いで高い数値でした。入職率も32.6%と高いことから、スタッフの入れ替わりが非常に激しいということが伺えます。飲食店は、スタッフの定着化と採用活動の効率化が求められています。
データ引用:産業別の入職と離職/厚生労働省
外国人雇用が注目される背景
前述した離職率の高さにプラスし、労働人口の減少や若年層の飲食業界離れ、新型コロナウイルス感染症の影響による離職者の増加などの要因により、飲食業界は深刻な人手不足に陥っています。そのような現状の中で、外国人雇用は貴重な労働力確保の手段となっています。
【行政書士監修】外国人採用に関する資料を無料ダウンロードする外国人雇用のメリット
外国人雇用には、労働力不足の解消以外にも様々なメリットがあります。主なメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
新たな視点やアイデアの導入
外国人材は、それぞれの出身国の文化や価値観をもっています。これらの多様なバックボーンを持つ人材が加わることで、企業や店舗は新しい視点や発想を得ることができます。多様な文化や価値観が融合することが組織全体に創造性や柔軟性を与え、競争力の強化や組織の活性化に繋がります。
店舗・企業のイメージ向上
外国人雇用を積極的に行う企業は、多様性を尊重している企業として社会的な評価を高めることができます。企業や店舗のイメージアップは、顧客からの支持や信頼獲得に繋がります。
グローバル化への対応
海外進出を検討している企業・店舗にとって、現地の言語や文化に精通している外国人は強力な戦力になります。現地での取引や交渉などを進める際には必要不可欠な人材なので、グローバルな事業展開を検討している経営者は、優先的に採用活動を行いましょう。
【行政書士監修】外国人採用に関する資料を無料ダウンロードする外国人雇用の注意点
外国人雇用には、日本人の雇用とは異なる注意点がいくつか存在します。以下に、特に重要な点をまとめました。
外国人雇用の注意点
外国人を雇用する際は必ず在留資格を確認し、日本国内での就労が許可されているかどうか、また特定技能の分野に当てはまっているか否かをしっかり確認しましょう。確認を怠り、不法就労者を雇用した場合は、企業・店舗も罰せられる可能性があります。
雇用条件・社会保険加入の整備
労働時間や休日、賃金に関しては日本人労働者と同じ条件で設定する必要があります。労働契約書を交わす際は外国人労働者が理解できる言語で作成し、契約期間や業務内容、賃金、労働時間、休日、解雇条件などについて認識のズレがないようにしましょう。
社会保険は、一定の条件を満たす場合は日本人労働者と同様に加入する必要があります。社会保険は、労働者の生活を保障するための制度のため、外国人労働者も日本国内で働いている限り例外にはなりません。
社会保険 | 加入条件 |
---|---|
健康保険・厚生年金保険 | 従業員101人以上の法人で働く、以下の要件を満たす場合 |
雇用保険 | 雇用保険 以下の要件を満たす場合、国籍を問わず加入が必要。 |
労災保険 | 労働者を1人以上雇用する企業は、加入必須。 |
コミュニケーション体制の構築
言語の壁によるコミュニケーション不足は、業務効率の低下やトラブルに繋がります。日本語が不自由な外国人材を採用する場合、コミュニケーションを円滑化するための研修や翻訳サービスの整備を検討する必要があります。
また、一緒に働く日本人スタッフに対し、異なる文化や習慣、宗教に関する理解促進も必要です。互いの価値観を尊重し合うためにも、交流会などの機会を提供することも有効です。
【行政書士監修】外国人採用に関する資料を無料ダウンロードする外国人雇用のステップ
外国人雇用は、適切な手続きと準備を行うことで、企業に多様な人材と新たな視点をもたらします。以下に、外国人雇用についてステップごとに解説します。
採用計画の策定
外国人を採用する理由を明確にし、採用したい人材像を具体的に定義します。外国人を採用する主な理由は以下の通りです。
- 人手不足の解消
- インバウンド需要への対応
- 専門的なスキルや知識の活用
- 社内の国際化推進
- 海外事業展開
求人活動
給与や労働時間などの雇用条件を定義し、求人活動を開始します。ハローワークや求人サイト、人材派遣会社、SNSなどを利用して求人活動を行いましょう。外国人向けの求人サイトや外国人材に特化した人材紹介会社もあるので、それらを利用することも有効な手段のひとつです。
書類選考・面接
書類選考や面接、適性検査など、適切な選考方法を選択して選考を行いましょう。応募条件に日本語能力の指定をしない場合、日本語が不自由な方が応募するケースもあります。通訳・翻訳への対応を整えておきましょう。面接では在留資格や文化的な配慮が必要か否かを確認しましょう。
雇用契約・入社手続き
採用を決定したら、労働条件を明記した雇用契約書を作成し締結しましょう。契約書は、採用した外国人労働者が理解できる言語でしっかり説明します。 社会保険や労働保険、税金などの手続きを行い、就労する上で不具合がないかを今一度確認しましょう。社内規則や業務内容なども就労前にしっかり説明することが理想的です。
育成・研修
採用後は、業務的に必要な知識やスキル、日本語に不自由がある場合は日本語能力などを向上させるための研修やサポートを行います。業務上の相談や質問を普段からしやすいように、メンター制度を取り入れることもおすすめです。
一緒に働く日本人スタッフに対して、外国人労働者への対応やサポートなどについて説明を行うことも重要です。スタッフ同士のコミュニケーションを円滑にすることで、業務効率もアップします。
【行政書士監修】外国人採用に関する資料を無料ダウンロードする【無料ダウンロード】行政書士監修!外国人を採用する場合の 注意点や必要な申請まとめ
外国人を採用する際の注意点や流れ、申請等について行政書士監修のもと作成した資料を下記無料でDLいただけます。是非ご活用ください。
【行政書士監修】外国人採用に関する資料を無料ダウンロードする外国人雇用におけるサポート制度
外国人雇用における、企業・店舗へのサポート制度について解説します。
政府・自治体の助成金・補助金
外国人労働者の雇用環境整備や能力開発に取り組む企業に対し、国や地方自治体が補助金や助成金を提供しています。代表的な制度をご紹介します。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して、一部の経費を助成する制度です。
外国人を雇用し、外国人労働者に対する就労環境整備措置(就業規則等の社内規定の多言語化など)を行っている事業主が、助成金を受給することができます。
受給額に関しては以下の通りです。
区分 | 支給額(上限額) |
---|---|
賃金要件を満たしていない場合 | 支給対象経費の1/2(上限額57万円) |
賃金要件を満たす場合 支給対象経費の2/3(上限額72万円) | 支給対象経費の1/2(上限額57万円) |
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
就業経験の不足などから就職が困難な方を、無期雇用契約へ移行することを前提に、一定期間トライアルで雇用を行う事業主に対して助成する制度です。
外国人だけに向けた制度ではありませんが、外国人労働者も要件に含まれています。
人材開発支援助成金
事業主が雇用する労働者に対し、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練などを実施した場合に、その経費を一部助成する制度です。
外国人労働者も要件に含まれており、業務に必要な日本語能力や専門スキルを習得する場合に活用できます。
【行政書士監修】外国人採用に関する資料を無料ダウンロードする参照:
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)/厚生労働省トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)/厚生労働省
人材開発支援助成金/厚生労働省
雇用調整助成金/厚生労働省
専門家(弁護士・行政書士)への相談
助成金や補助金に関する情報は適宜アップデートされるため、社会保険労務士や行政書士などの専門家へ相談することも有効です。申請期間や要件をしっかり確認し、功利的な外国人採用を行えるような基盤を整えましょう。
さいごに
外国人雇用のメリットや注意点、採用ステップについて解説しました。外国人雇用は飲食店にとって大きな可能性を秘めていますが、成功のためには事前の準備や入念な計画が必要です。以下からダウンロードできる資料では、外国人雇用に関するさらに詳しい内容を掲載していますので、是非参考にしてみてください。
【行政書士監修】外国人採用に関する資料を無料ダウンロードする