自宅でのエステサロン開業は、初期費用を抑え、自分のペースで働けるなどのメリットがありながらも「本当に成功できるの?」という不安を抱えている方も多いことと思います。本記事では、開業準備・集客・運用のフェーズに分けてポイントを解説します。是非参考にしてください。
【無料】エステサロン開業やることチェックシートをダウンロードする目次
【開業前】自宅サロンのメリットとデメリット
自宅でエステサロンを開業することは、メリットとデメリットがあります。それぞれについて詳しく説明します。
メリット① 低コストで開業できる
店舗を借りるための敷金や礼金、家賃が発生しないため開業資金を大幅に節約することが可能です。また、光熱費やWi-Fiなどの通信費も新たに契約する必要がなく共有が可能なので、ランニングコストも節約することができます。
赤字になりがちな開業初期に大幅な節約ができることは、自宅でエステサロンを開業する最大のメリットと言えます。
メリット② 自分のペースで始められる
営業日や営業時間など、規定に縛られることなく自由に設定することができます。小さな子どもがいる方や他の仕事を兼務している方も働きやすい環境と言えます。また通勤時間がないため、効率的な時間の活用が可能です。
デメリット① 公私の区別がつきにくい
自宅の一角に職務スペースを作ることになるため、仕事とプライベートの切り替えが難しくなり、集中できなかったりリラックスできる時間が減るなどの支障が出てくる可能性があります。
また、お客様の導線や共有で利用するトイレや水回りなどに生活感を出さないような配慮も必要です。家族と同居している場合は、家族からの協力も重要です。
デメリット② 集客が難しい場合も
多くは住宅街での出店となるため、テナントを借りて路面店に開業するパターンよりも集客が難しく、施策に工夫が必要になります。
また、お客様の中には閉鎖的な空間でスタッフと1対1になることに抵抗感を持っている方もいるため、SNSなどを活用しサロンの雰囲気や情報を積極的に発信して、お客様の不安を払拭することも重要です。
【無料】エステサロン開業やることチェックシートをダウンロードする【準備】開業に必要なもの・手続き
自宅サロンの開業に必要なものは、業種や規模によって異なりますが、主に以下のものが挙げられます。
必要な備品・消耗品
開業するサロンの種類によって異なりますが、一般的に以下のものを準備する必要があります。
■ 施術に必要な機器・道具
・エステ用ベッド、施術用の椅子、ネイル用品、まつげエクステ用品、美容機器など
■ 内装・インテリア
・お客様にリラックスしてもらうための空間づくりが重要です。生活感を出さないように、カーテン、照明、壁紙、小物などを工夫しましょう
・必要に応じて、内装工事やリフォームを検討することもできます
■ 備品・消耗品
・お客様用のタオル、ローブ、スリッパ
・消毒液、清掃用品
・施術で使用する化粧品、オイル、商材
・待合室用の椅子、雑誌、BGM
■ 集客・運営に必要なもの
・パソコン、プリンター
・予約管理システムや顧客管理システム
・会計に必要なレジや決済端末
・SNSやホームページ用の写真や情報
以下から、エステサロン開業に必要な備品一覧のチェックシートをダウンロードできます。
【無料】エステサロン備品チェックシートをダウンロードする開業手続き
自宅サロン開業に必要な手続きは以下の通りです。
個人事業の開業届
事業として利益を得る場合は、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出する必要があります。提出先は、自宅の住所を管轄する税務署です。
法律上は開業後1ヶ月以内の提出が推奨されています。提出しなくても罰則はありませんが、開業届を提出することで税制上の優遇措置(青色申告)を受けられるなどのメリットがあります。
保健所への届出・美容所登録(特定の業種)
美容室(ヘアカット、カラー、パーマなど)やまつ毛エクステなど、美容師法に基づく施術を行う場合は、自宅であっても保健所への「美容所開設届」の提出と、施設の構造や衛生状態に関する検査が必要です。手続きを怠ると罰則の対象となりますので気を付けましょう。詳細は管轄の保健所に確認してください。
開業資金の目安
自宅サロンの具体的な開業資金は、サロンの業種や内装にどこまでこだわるかによって大きく変動しますが、一般的な目安は30万円から100万円程度とされています。
主な内訳は以下の通りです。
1.内装・リフォーム費
自宅の空き部屋をそのまま利用する場合、内装費用はほとんど発生しません。しかし、生活感をなくしお客様がリラックスできる空間にするために、壁紙の張り替えや照明の変更などを行う場合は10万円から数十万円発生することがあります。
2.設備・備品費
施術に必要なベッド、イス、鏡、ワゴンなどを準備する費用です。業種によっては、高価な美容機器やネイル用機材などが必要になります。電動ベッドや最新機器を導入する場合は、この費用が数十万円から数百万円と高額になることもあります。開業初期は、中古品やリース、レンタルを活用して費用を抑える方法もあります。
3.消耗品費
施術に使う化粧品、オイル、タオル、ペーパー類、消毒液などを準備する費用です。消耗品のため、ランニングコストとして定期的に発生します。
4.販促・広告宣伝費
チラシ作成やホームページ制作、SNS広告など、集客に発生する費用です。SNS投稿を活用することで費用を抑えることは可能ですが、より多くの集客を目指す場合はある程度の予算が必要です。
5.運転資金
開業後、売上が安定するまでの期間の生活費や、仕入費、水道光熱費などです。1ヶ月にどの程度発生するかを事前に算出し、少なくとも3~6ヶ月程度の運転資金を用意しておくと安心です。
開業資金比較表
自宅サロンとテナントサロンの開業資金の比較表を作成しました。一般的な目安として参考にしてください。
項目 | 自宅サロン | テナントサロン |
---|---|---|
初期費用合計 | 30万円〜100万円程度 | 300万円〜600万円程度 |
物件取得費 | 0円 | 敷金、礼金、仲介手数料、前家賃など(家賃の6〜10ヶ月分が目安) |
内装・リフォーム費 | ほとんど掛からない、または小規模な改修費用(〜数十万円) | 規模やデザインによって大きく変動(100万円〜数百万円) |
設備・備品費 | 施術用ベッド、ワゴン、タオルなど(10万円〜) | 施術用ベッド、専用機器、受付カウンター、家具など(数十万円〜) |
広告宣伝費 | SNSや無料サイトの活用が中心(数万円〜) | ホームページ、看板、チラシ、Web広告など(数十万円〜) |
その他 | 運転資金(数ヶ月分) | 運転資金(数ヶ月分)、火災保険、セキュリティ費用など |
【集客】開業後に顧客を獲得する方法
自宅サロンはテナントサロンに比べて立地が集客に不利なことが多いため、より戦略的な集客が求められます。オンラインとオフラインの施策を組み合わせて効果的な集客を行いましょう。
SNSの徹底活用
無料で利用できるSNSは積極的に利用しましょう。Instagramは、写真や動画で施術のビフォーアフター、サロンの雰囲気、自身のこだわりを視覚的に伝えられるため、自宅サロンの集客に特に有効です。
FacebookやX(旧Twitter)も、サロンの最新情報やキャンペーン情報を発信するのに役立ちます。顧客層に合わせたSNSを使い分け、効率的な集客を行いましょう。
地域密着型集客
自宅周辺やターゲット層が多く住むエリアに、チラシなどをポスティングすることで集客効果が期待できます。初回限定の割引クーポンを付けたり、SNSアカウントやサロンのホームページへのQRコードを載せておくこともおすすめです。
良い口コミを増やす
良い口コミは、サロンの信頼性を高めながら集客に繋げることができる強力な宣伝ツールです。Googleマイビジネスに登録し、お客様が気軽に口コミ投稿できる環境を整えましょう。
また、お客様が「誰かに紹介したい」と思ってもらえるような丁寧な接客や質の高い施術を心がけることも重要です。紹介キャンペーンなど、紹介することでメリットを得られる仕組みを用意しておくことで大きな集客効果が期待できます。
【運用】リピーター対策
自宅サロンのリピーターを増やすためには、お客様との信頼関係を築き、居心地の良い特別な空間だと感じてもらうことが重要です。以下に具体的なリピーター対策をまとめました。
顧客満足度向上を高める技術と接客
リピーターになってもらうための大前提は、お客様が心から満足するサービスを提供することです。丁寧なカウンセリング、期待を超える施術、しっかりとしたアフターフォロー、を意識して接客を行いましょう。
1対1の接客を心がけ、大手サロンやテナントサロンにはない特別感を演出することが重要です。お客様との関係性を構築し、リピート利用に繋げましょう。
リピート利用を促す施策
リピート利用してくれたお客様に対して、感謝を伝えるための特典を用意することも有効です。主な施策は以下の通りです。
■ ポイントカード
来店ごとにポイントを付与し、一定数貯まると割引やオプションサービスを受けられるようにします。
■ リピーター限定割引
2回目以降の来店時に適用される割引や、3ヶ月以内の再来店で割引になるなど、再来店を促す仕組みを作ります。
■ 紹介キャンペーン
既存のお客様が新しいお客様を紹介してくれた場合、双方に割引や特典をプレゼントします。信頼できる人からの紹介は、新規顧客獲得にもつながります。
【無料DL】エステサロン開業やることチェックシート

エステサロン開業に必要なことをチェックリストとしてまとめました。下記から無料でダウンロードいただけますので、是非お役立てください。Excelファイルでダウンロード可能なので、サロンに合わせて自由にカスタマイズいただけます。
さいごに
自宅でのエステサロン開業に必要な費用や開業後の集客、リピーター対策などについてご紹介しました。自宅サロンは開業のハードルが低い分、その後の集客や顧客の獲得が非常に重要になります。本記事に内容を、自宅サロンの開業・経営に活用いただければと思います。