行列は「人気店の証」でありながら、待ち時間の過ごし方に対策を講じなければ満足度低下や機会損失に直結します。本記事は、今日から実施できる行列対策7選を、具体策や運用ポイントとともに紹介します。是非ご参考ください。
目次
行列が飲食店に与える影響は?
行列は、飲食店にポジティブな影響とネガティブな影響の両方をもたらします。ここでは双方の観点から影響について紹介します。
ポジティブな影響
行列ができることで飲食店が受けるポジティブな影響は以下の通りです。
集客効果とPR効果
行列ができていることで、「このお店は人気がある」「美味しいから並んでいるんだ」という印象を与え、通行人の興味を引きつけて新たな顧客を呼び込む看板としての役割を果たします。SNSや口コミでの拡散も期待でき、集客・PR効果が期待できます。
期待感の醸成
人は、簡単に手に入らないものや限られた人にしか体験できないものに対して、より強い価値を感じる傾向にあります。行列に並び自分の時間というコストを掛けた分、「これだけ並んだのだから美味しいはずだ」という期待感が醸成され、無意識的に価値を高く評価するようになります。
ネガティブな影響
一方で、行列ができることで飲食店が受けるネガティブ影響は以下の通りです。
顧客満足度の低下と機会損失
待ち時間が長すぎることで、お客様はストレスを感じ不満が募らせます。その結果、入店しても不満が解消せず、料理やサービスへの評価が厳しくなり、リピーター獲得の妨げになり兼ねません。また、行列ができている時点で待つことを拒否し来店を諦めるお客様も一定数いるため、潜在的な売上機会を失うことにつながります。
サービスの質の低下
行列ができることで、スタッフは並んでいるお客様を少しでも早く入店させるべく席の片づけや入店のアテンドに注力し、その他のお客様の接客が疎かになりがちです。
接客面だけではなく、料理屋やドリンクの提供をスピーディーにしようという意識が働くことで味付けや盛り付けのクオリティを維持できなかったり、店内の清掃、手洗い場やトイレの備品補充などに手が回らず、不衛生な印象を与えてしまうなどのリスクがあります。
トラブルの発生
割り込みや騒音など、行列に並ぶお客様同士でトラブルが発生する可能性があります。また、行列が歩道を塞ぐなど近隣の店舗や住民に迷惑をかけてしまうこともあり、店舗の評判を損なう原因にもなり得ます。
【500名独自調査】飲食店の行列に関する意識調査
20代~60代男女500名を対象に、飲食店の行列に関する意識調査を実施しました。
飲食店の行列、並んで良いと思うのは「10分~30分未満」が40%で最多
n=500 単一選択
飲食店の行列に並べる許容時間を問う設問に、「10分~30分未満」と答えた方が40%で最多の結果となりました。「10分未満」と答えた方を含めると、過半数が行列に許容できる時間は「30分未満」だということが分かります。
「行列ができるほど人気のお店には行きたいが、長時間並びたくはない」というユーザーの本音が垣間見られ、飲食店側には長時間並ばないための対策が求められています。
顧客満足度を下げないための行列対策7選
顧客満足度を維持するための行列対策として、以下の7つの方法をご紹介します。
1.整理券・順番待ちアプリの導入
整理券や順番待ちアプリのシステムを導入することで、物理的な行列を解消することができます。お客様は行列に並ばず自由に過ごしながら待つことができるため、ストレスが減少し不満も軽減されます。また、順番が可視化されることで待ち時間の目安が分かりやすくなり、その点もメリットと言えます。
2.事前予約システム・オンライン予約の活用
事前予約を促すことで、来店ユーザーが集中する時間を分散させる効果が期待できます。Webサイトやアプリからの予約を可能にすることで、お客様の利便性も向上し顧客満足度向上に繋がります。
3.テイクアウト・デリバリーの強化
「このお店のメニューは食べたいけど行列に並びたくない」というお客様向けに、テイクアウトやデリバリーメニューを提供する、という施策も有効な対策のひとつです。
行列に並ぶことを嫌うお客様の離脱を防ぐことで、機会損失を防ぎ売上げ増加が期待できます。また、行列が緩和されることでお客様の待ち時間減少が見込め、顧客満足度向上に繋がります。人気メニューを店外でも同じクオリティで提供できるよう、品質管理を徹底することが重要です。
4.待ち時間表示・進捗状況の可視化
Webサイトやアプリ、デジタルサイネージなどを活用し、現在の待ち時間や行列の流れをリアルタイムで表示する方法です。これにより、お客様は行列に並ぶ前に待ち時間や状況を把握することができるため、不確実性による不安を解消することができます。事前に待ち時間の目安を知ることができるため、行列からの離脱やクレームにも繋がりにくくなります。
5.待ち時間中のサービス提供
待っている時間を快適に過ごせるようにする、という方向の対策も効果的です。椅子やソファを設置する、映像を流す、無料Wi-Fiや充電サービスを提供する、メニューの閲覧をできるようにするなど、様々な対策を講じることで待ち時間中のストレスを緩和させることができます。
また、並んでいる間にオーダーを取り、席についてすぐに料理を提供できるようにするなど、顧客満足度を維持するためには少しでも待たせない対策が重要です。
6.スムーズな入店・案内オペレーションの確立
お客様をスムーズに案内できるよう、スタッフの配置や作業フローを見直します。混雑時はスタッフの役割分担を明確にすることが重要です。お客様の退店をスムーズに行うために、会計・レジ係は固定にすることをおすすめします。また、食器などを下げて席を整える係とアテンド係を別にし、連携をとりながら行うことで無駄なく効率的なオペレーションを実行できます。
7.スタッフの意識向上とホスピタリティ
整理券の導入やテイクアウトの強化など、行列対策にはシステム面が主な課題と思いがちですが、顧客満足度維持の観点から考えると、スタッフの意識向上とホスピタリティが非常に重要な要素と言えます。
並んでいるお客様に「お待たせして申し訳ございません」などの声掛けを行う、状況説明やメニュー表の提供を行うなど、配慮ある接客サービスを行うことで、お客様が行列で感じているストレスを緩和する効果が期待できます。
また、意識が高いスタッフは店舗全体の効率を考えて行動できるため、忙しすぎて回っていないポジションなどを自ら探して対応するなど、先回りした行動ができます。その行動が結果的にお客様の満足度向上に繋がります。
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さいごに
飲食店の行列は、人気店であることの証明というポジティブな面もありますが、お客様にとってネガティブな体験となり顧客満足度低下に繋がり兼ねない要素です。本記事でご紹介した行列対策施策を、是非自店舗でもご活用ください。

