【飲食店向け】良い口コミを増やし、悪い口コミに賢く対応する方法

【飲食店向け】良い口コミを増やし、悪い口コミに賢く対応する方法

飲食店経営において、口コミは売上を左右する重要な要素です。本記事では、良い口コミを増やすための対策方法、悪い口コミへの対処方法について解説しています。飲食店経営者の方は是非参考にしてください。

良い口コミを増やすための5つの戦略

飲食店の良い口コミを増やすための代表的な5つの戦略を、具体的に解説します。

①最高の顧客体験を提供する

シンプルですが、これが最も重要なポイントです。良い口コミは質の高い顧客体験からしか生まれません。特に以下の要素について、サービスの質向上に努めましょう。

    ・料理の質
    常に安定した美味しい料理を提供することは大前提です。味だけではなく、温度やメニュー数、提供スピードなど全体的な質の向上を目指しましょう。

    ・接客サービス
    「このお店の店員さんは親切だった」というポジティブな体験は、口コミに繋がりやすくなります。スタッフごとで接客の質にムラが出ないよう、スタッフ教育に力を入れましょう。

    ・サプライズ要素
    予想を上回るサービスは、強い印象を残し口コミのきっかけになります。誕生日プランや試食サービスなど、記憶に残るサービスの提供を意識しましょう。

②口コミを促す仕組みを作る

自発的に口コミを書いてくれるお客様は一握りです。口コミを投稿してもらうために、店舗自らがきっかけを提供することが効果的です。代表的な施策案をご紹介します。

    ・帰り際の声掛け
    会計時やお帰りの際に「よろしければ口コミをお願いします」と声を掛けるだけでも効果が見込めます。

    ・QRコードの設置
    テーブルやレジ横に、口コミサイトへのリンクを含むQRコードを設置します。お客様が簡単にアクセスできるようにすることで、投稿のハードルを下げる効果が期待できます。

    ・口コミ投稿特典
    「口コミを書いてくれた方にドリンク1杯サービス」や「次回使える割引券をプレゼント」などのお得な特典を用意することで、口コミ投稿の動機付けになります。

    ・SNSでの呼びかけ
    公式InstagramやX(旧Twitter)などで「ご来店の感想をぜひ投稿してください!」と呼びかけます。SNS活用については次の項目で説明します。

③SNSやレビューサイトを活用してファンを増やす

Instagram、X(旧Twitter)、Facebookなどの自店舗の公式SNSアカウントでメニューや店内の様子、イベント情報などを発信し、お客様がシェアしやすい環境を作りましょう。店名やオリジナルハッシュタグを設定するとより効果的です。

また、食べログやHot Pepper、Rettyなどのグルメサイトに登録しコンテンツを充実させることが、良質なレビューを増やすことに繋がります。最新情報や季節ごとのメニュー変更などもしっかり反映することでお客様もレビューを投稿しやすくなります。

飲食店のSNS運用について詳細はこちらの記事も参考にしてください。

④口コミしやすい「話題」や「写真映えポイント」をつくる

特大サイズや見るからに辛そうなど、見た目にインパクトがあるメニューなど、思わず写真を撮りたくなる料理やドリンクを提供することで、SNSやレビュー投稿の自然発生的な増加が期待できます。

その他にも可愛い壁紙やユニークな照明や小物などで店内に映えスポットを作ったり、動画でシェアしたくなるようなサプライズ演出、珍しいイベントの開催など、人に教えたくなるような要素を作ることで、ポジティブな口コミが生まれやすくなります。

⑤良い口コミには返信する

口コミは頂くだけではなく、出来る限り返信するようにしましょう。わざわざ時間を割いて口コミを投稿してくれたお客様に対して感謝を伝えることで、お客様自身の満足度もさらに向上し愛着形成に繋がります。

また、口コミ投稿を見ている方に「お客様一人ひとりを大切にしている飲食店」という良い印象も持たれやすく、店舗の信頼性やブランドイメージ向上にも繋がります。

悪い口コミへの4つの正しい対処法

悪い口コミへの対応は、お店の評判を守り信頼を回復するために非常に重要です。適切な対処法を4つご紹介します。

①感情的にならず、冷静に対応する

ネガティブな口コミを見て落ち込んだり、反論したくなる気持ちは当然ですが、感情に任せて攻撃的な返信はやめましょう。まずは冷静に内容を確認し、誠意を持って丁寧な言葉で対応することが重要です。

まずはどのような内容でも、時間を割いて口コミを投稿してくれたお客様に対して感謝を伝え、自店舗に非がなかったとしても「お客様に不快な気持ちになったこと」に対して丁寧に謝罪を伝えましょう。この感謝と謝罪は、事実確認を行う前に迅速に行うことをおすすめします。

②まずは事実確認を行う

お客様が投稿したネガティブな口コミが、事実に基づいているのか確認する必要があります。例えば「入店してから随分待たされた上に、何度もオーダーを間違えられました」という口コミがあった際には、接客担当やキッチン担当にそれぞれヒアリングをし、本当にそのようなことが発生していたのかを確認します。

事実確認の具体的な方法は以下の通りです。

    ・社内スタッフへのヒアリング
    まずは、そのお客様が来店したと思われる日時や状況について、対応したスタッフに話を聞きます。

    ・予約や会計記録の確認
    お客様の情報(来店日時、人数、注文内容など)がわかれば、予約記録や会計システムで確認します。

    ・防犯カメラの映像確認
    口コミの内容や状況によっては、防犯カメラの映像を確認することも有効です。

③具体的な改善策や対応策を提示する

口コミの内容によっては、指摘された事柄について「店舗としてどのように対処するか」を具体的に示すことが重要です。

例えば「入店してから随分待たされた上に、何度もオーダーを間違えられました」という口コミに対して、事実確認を行い本当にそのようなことが起きていた場合は、対処方法を提示しましょう。この例の場合は、「オペレーションの見直し」「スタッフの再教育」などが対処法として挙げられます。

具体的な改善策を返信することで、投稿者や口コミを見ている方に対して「この店舗はネガティブな意見も受け入れて真摯に対応してくれている」という信頼感を与えることができます。

④個別のやりとりを促す

口コミやレビューが掲載されているサイトは、誰でも見られるように広く公開されていることが一般的です。そのような場で、長々とやり取りをしたり個人情報を訪ねることは避けましょう。

ネガティブな口コミに対しての返信は謝罪と感謝、改善策の提示までに留め、確認事項などの詳細なやり取りについては電話やメールなどクローズな場で行うことを投稿者に提案しましょう。

個別連絡への誘導は、「もしよろしければ、詳細についてお伺いするため、〇〇(店舗の電話番号やメールアドレスなど)までご連絡いただけますでしょうか」と口コミに返信する方法がおすすめです。

口コミ対策の注意点

飲食店などが口コミ対策を行う際、特に注意すべきポイントをまとめます。是非参考にしてください。

これが最も重要な注意点です。店舗のスタッフや関係者が良い口コミを投稿する、いわゆる「サクラ行為」は絶対に避けましょう。発覚した際には、店舗の信頼が失われるだけではなく、景品表示法による「ステルスマーケティング規制」の対象になる可能性があります。

景品表示法に違反した場合は消費者庁から措置命令を受け、罰金や懲役が科せられるリスクがあるので、注意しましょう。

口コミを削除しようとしない

Googleを始め多くの口コミサイトでは、店舗側の都合で口コミを削除することはできません。運営会社に削除依頼をし、削除相応と認められれば削除が可能ですが、明らかな虚偽内容などの悪質な口コミ以外は基本的には削除はできません。

ネガティブな内容の口コミは、削除ではなく丁寧に返信を行うことが重要です。誠実に対応しましょう。

口コミ集めに過度な見返りを設定しない

口コミを書いてもらうために、割引クーポンやプレゼントなどのいきすぎた特典を設定したり、「口コミを投稿しないとサービスが受けられません」などの口コミを強制する行為は避けましょう。

多くのグルメサイトでは、口コミ投稿を促すために店舗側が金品やそれに相当するサービスを報酬として提供することを禁止しています。発覚した場合はアカウント削除などの処置対象となるため注意が必要です。

また、強制的に口コミを促す方法は店舗への不信感に繋がります。口コミ投稿は協力をお願いするスタンスを心がけましょう。

さいごに

飲食店における口コミ投稿の重要性、口コミを増やす方法や注意点について紹介しました。飲食店において口コミは非常に重要な集客ツールです。本記事の内容を、口コミ対策に役立てていただければと思います。

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