Googleビジネスプロフィールを活用したMEO(マップエンジン最適化)対策は、高額な広告費をかけずに来店意欲が高い顧客を集客できる効率的で費用対効果が高い集客施策です。本記事は、ポータルサイト経由での集客に依存しがちな飲食店様向けにMEO対策のポイント、予約を直獲りする方法を具体的に解説します。是非参考にしてください。
【無料】Googleビジネスプロフィール運用チェックリストをダウンロードする目次
今「ポータルサイト依存」から脱却すべき理由
飲食店がポータルサイトへの依存から脱却すべき理由は、コスト面、集客の質、コントロール権、そして集客環境の変化という点で特に重要性が増しています。
手数料の重荷
ポータルサイト依存から脱却すべき要因として一番大きいのは、コスト面です。ポータルサイトは月額固定の掲載料や予約ごとの従量課金制の手数料が発生することが多く、集客をできたとしても利益率を圧迫するリスクがあります。
以下に主なポータルサイトの料金表を掲載しますので、参考にしてください。
| サイト名 | 掲載料(月額)の目安 | ネット予約手数料 1名あたりの目安(税込) |
備考 |
|---|---|---|---|
| 食べログ | 0円〜数万円 | ランチ:約110円 / ディナー:約220円 | 有料プランは月額1万円台から10万円超など幅がある |
| ぐるなび | 0円〜数万円 | ランチ:約41円〜 / ディナー:約55円〜200円超 | プランによって手数料が変動する |
| ホットペッパーグルメ | 0円(従量課金制プラン)〜数万円 | ランチ:約50円〜 / ディナー:約215円〜 | 左記手数料にはポイント付与料が含まれます |
| Retty | 0円〜 | 220円 | 有料プランは要問い合わせ |
| ヒトサラ | 0円〜(成果課金プラン) | ランチタイム220円 ディナータイムのみ770円 |
比較的高価格帯の飲食店向け |
※2025年11月時点の情報です。
集客の質とリピーター獲得の難しさ
ポータルサイトは新規顧客の獲得には強い代わりに、「割引目的」「クーポン利用」など、価格を重視する所謂一見客が多くなりがちです。また、ポータルサイト経由の顧客は様々な店舗を比較して回る傾向があり、リピーターになりにくいという課題があります。
集客環境の変化
20代〜50代を中心に、飲食店探しの手段が従来のグルメポータルサイトから、Google検索、Googleマップ検索、SNS(Instagramなど)へとシフトしています。
COLLINS株式会社が2025年に行った調査でも、カジュアルな食事シーンにおいてGoogle検索(49.2%)やGoogleマップ(48.2%)、Instagram(52.5%)が、食べログ(59.8%)と並ぶ飲食店を探すツールとして台頭してきていることが分かります。
MEO対策で無料集客ができる
MEO対策を講じる上で重要なツールであるGoogleビジネスプロフィールは無料で利用することができるため、ここに情報を充実させ適切に運用することで、広告費や経費を掛けずに集客を行うことができるようになります。
【無料】Googleビジネスプロフィール運用チェックリストをダウンロードするMEO対策が「直予約」を促進させる3つの理由
MEO対策が飲食店の「直予約」を促進させる理由を、3つのポイントに分けて解説します。
検索結果表示での優位性
Googleビジネスプロフィールで上位表示される情報は、検索ユーザーにとって最も目にしやすい場所に表示されるため、他の集客チャネルよりも圧倒的に優位に立ちます。
Google検索結果よりも上部に表示されやすく、また広告枠と異なりオーガニックな検索結果として認識されるため、検索ユーザーからの信頼性が高い状態で情報を届けることができます。また、店名や住所情報が地図と一緒に表示されるため視認性も高く、検索ユーザーは一目で店舗の魅力と基本情報を把握することができます。
予約ボタンから直接予約が完了できる
Googleビジネスプロフィールは、ユーザーが予約を完了するまでの導線を極限まで短く設計しています。例えば店舗側が設定した「予約」や「ウェブサイト」への直行ボタンがファーストビューに表示され、検索ユーザーは、これらのボタンをワンタップするだけで予約を完了することができます。
「リアルな口コミ」で信頼性が高まり選ばれやすくなる
飲食店選びにおいて、他ユーザーの評価は大きな影響を与える要素です。Googleビジネスプロフィールに投稿された口コミは、ユーザーのリアルな声として最も分かりやすい形で提示できるため、信頼性が大幅に向上します。また、検索結果画面に星の平均値と口コミ数が表示されるため、検索ユーザーは飲食店の評価を瞬時に判断することができます。この数字が高評価であれば「このお店なら間違いない」という安心感を与えることができ、より選ばれやすくなります。
【無料】Googleビジネスプロフィール運用チェックリストをダウンロードする予約導線を最適化するGoogleビジネスプロフィールの活用法
予約や来店に直結する、効果的な設定と運用方法について解説します。
Googleビジネスプロフィールの基本
Googleビジネスプロフィールは、MEO対策を行う上で最も重要なツールです。その基本と主な機能について解説します。
Googleビジネスプロフィールの主な機能
| 機能 | 目的 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| 情報の編集 | ユーザーへの基本情報提供 | 住所、電話番号、正確な営業時間、ウェブサイトURL、ビジネスの説明、提供サービス(テイクアウト、Wi-Fiなど)を登録・更新します。 |
| 写真の掲載 | 魅力の訴求と視覚情報提供 | 料理、内観、外観、ロゴなどの写真をアップロードし、店舗の雰囲気を伝えます。定期的に新しい写真をアップすることが推奨されます。 |
| 口コミの管理 | 信頼性の構築 | 投稿された口コミに対し、すべて丁寧かつ迅速に返信します。返信することで、顧客を大切にする姿勢をアピールできます。 |
| 投稿(Posts) | 最新情報のリアルタイム発信 | 期間限定のメニューやイベント、臨時休業などの最新情報をタイムリーに発信します。「予約する」などのボタンを付けて行動を促すことができます。 |
| Q&A機能 | 疑問点の解消 | ユーザーからの質問に対し、オーナー側が回答できます。よくある質問とその回答を事前に登録しておくことも可能です。 |
| パフォーマンス | 効果測定 | 自分の店舗が検索された回数や、ユーザーが情報パネルで取った行動(電話、ルート検索、ウェブサイトアクセスなど)を分析できます。 |
集客アクションの登録
Googleビジネスプロフィールには「予約リンク」などの集客アクションリンクを設置でき、これが最も直接的な導線となります。設置できる主な集客アクションは以下の通りです。
「電話」ボタン
ワンタップで電話発信を促し、予約へ直結させます。
「ウェブサイト」ボタン
公式サイトや予約ページへ誘導します。
「経路」ボタン
現在地からサロンまでの道順をGoogleマップで瞬時に表示し、来店をサポートします。
「予約」ボタン
外部の予約システムと連携し、Googleビジネスプロフィールから直接予約を可能にします。
「投稿」機能の活用
Googleビジネスプロフィールには投稿機能があり、最新情報やイベント、特典などを発信することができます。公式ブログやSNSのようなイメージで、検索ユーザーに対してタイムリーな情報を伝えるために活用されます。
投稿機能で発信できる内容は以下の通りです。
■ 最新情報(お知らせ)
・新商品や新メニューの紹介
・季節限定サービス、価格改定
・営業時間や定休日の変更など、お店からの重要なお知らせ
■ イベント
・店内でのイベントやフェアの告知
・タイトル、開催期間(開始日・終了日)を設定し、イベント中目立つように表示可能
■ 特典(クーポン・割引)
・プロモーションや割引、クーポンなどの情報
・利用できる期間を設定し、「オファーを表示」などのボタンを自動で追加可能
投稿機能を活用し、「期間限定のコース予約受付中」「本日限定の特別席をWeb予約でのみ受付中」などの発信とともに予約ボタンを紐づけることで、集客効果が期待できます。
【無料】Googleビジネスプロフィール運用チェックリストをダウンロードする顧客をマップから「公式予約」させるための訴求力強化
Googleマップ・Googleビジネスプロフィール経由のユーザーを「公式予約(直予約)」に切り替える訴求力を強化するには、「信頼性」と「利便性」を同時に高めることが重要です。下記に詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
公式予約限定のインセンティブ設計
ポータルサイト経由の予約では得られない、公式経由の予約のみの価値(インセンティブ)を提供することが最も分かりやすい訴求です。以下のインセンティブの例を記載します。
| インセンティブの種類 | 具体的な例 | 訴求ポイント |
|---|---|---|
| 価格メリット | ワンドリンク無料、会計から5%割引、次回来店時優待券 | 「最も安く予約できる」という価値を強調 |
| 体験・特別感 | メッセージプレート無料、公式限定の特典付きコース | 「他では選べないサービス」があることを強調 |
| 利便性 | 予約変更・キャンセルの手数料無料(ポータルサイトとの比較) | 「柔軟に対応できる」安心感を訴求 |
口コミへの返信
良い口コミ、悪い口コミ問わず、すべてに返信することが基本です。特にネガティブな口コミへの対応は、危機管理能力と誠実さを示す絶好の機会です。定型文ではなく、それぞれの口コミ内容に合わせて返信することで、一人ひとりの顧客を大切にしている姿勢を伝えましょう。
また、良い口コミには感謝を伝え、「次回はぜひ公式予約限定の〇〇コースをお試しください」など、公式予約への誘導を自然に盛り込むことで予約率アップ効果が期待できます。
メニュー情報の出し分け
Googleビジネスプロフィールに掲載するメニュー情報は、公式予約の優位性を視覚的・内容的に目立たせるようにしましょう。
ポータルサイトには概要のみを掲載し、Googleビジネスプロフィールには詳細のメニューや食材情報を載せるなど情報量で優位性を持たせることも有効です。
また、「公式予約が一番お得」「公式経由で予約いただいた方は〇%OFF」など、限定を際立たせることで、ポータルサイトなどで比較検討していたユーザーを公式予約へ誘導することができるようになります。
写真で信頼獲得
写真は、予約意欲を高める ための強力なツールになります。料理写真や内装、インテアリア、店舗の外観などの高品質な写真を掲載することで魅力を最大限に伝えましょう。
店内やスタッフの写真が充実していることで、お店の実在感と透明性が高まり「安心して予約できる」という信頼感アップに繋がります。また、「写真と実物が異なる」というリスクを最小限にし、期待値を高める効果が期待できます。
【無料】Googleビジネスプロフィール運用チェックリストをダウンロードするポータルサイト依存を防ぐための「情報鮮度」維持ルール
ユーザーの信頼と公式予約への誘導を確実にするためには、情報鮮度は重要な指標です。情報鮮度維持と分析のルールについて、3つに分けて解説します。
NAP情報の統一チェック
NAPとは、Name(名称)、Address(住所)、Phone(電話番号)の頭文字です。これがオンライン上のすべてのチャネル(GBP、公式サイト、SNS、ポータルサイトなど)で完全に一致している状態を維持することが、MEOの評価と顧客の信頼獲得の基盤となります。
以下に具体的なルールをまとめました。
| ルール | 具体的行動 | 目的と効果 |
|---|---|---|
| GBPを「正」とする統一基準 | 最も正確で詳細な情報をGBPに記載し、これを他の媒体の表記の基準(マスターデータ)と定める | Googleの評価において信頼性(オーソリティ)を最大化し、MEOの安定に繋げる |
| 月次でのチェックルーティン | 最低でも月1回、全てのチャネル(特にポータルサイトやSNSのプロフィール欄)のNAP情報をGBPと照合し、表記の揺れ(例:「株式会社」と「(株)」、「ハイフンの有無」など)がないかを確認し修正する | 表記の不一致によるGoogleの低評価や、顧客の混乱・予約離脱を防ぐ |
| 情報変更時の同時更新 | 電話番号や移転など、NAP情報に変更があった際は、必ず全チャネルで同時に更新することを必須ルールとする | 情報が古いことによる顧客の不信感をゼロにし、予約の機会損失を未然に防ぐ |
営業時間の即時更新
営業時間は、顧客の来店や予約の意思決定に直結する最も重要な情報のひとつです。特に「営業しているはずが閉まっていた」という事態は顧客体験を著しく損ない、低評価に繋がります。
以下に具体的なルールをまとめました。
| ルール | 具体的行動 | 目的と効果 |
|---|---|---|
| 「特別営業時間」機能の徹底利用 | 臨時休業、短縮営業、祝日営業、年末年始など、定休日以外のイレギュラーな変更は必ずGBPの「特別営業時間」機能を使って即時反映させる | 顧客の利便性を高め、誤った来店や予約を防ぐ。情報が古いポータルサイトとの差別化を図る |
| 情報伝達の優先順位 | 営業時間に変更があった際は、 ①GBPの特別営業時間 → ②公式サイト/予約システム → ③SNSの告知の順で、スピードを重視して情報発信を行う |
「公式情報が最も早い」という認識を顧客に植え付け、情報取得の起点を公式チャネルへシフトさせる |
| 営業再開の迅速な反映 | 臨時休業明けなど、営業を再開した際は、必ず設定を元に戻す(「特別営業時間」設定を解除する)確認作業をルール化する | Googleからのペナルティ(営業停止中と表示され続ける)を防ぐ |
インサイト分析
Googleビジネスプロフィールの分析機能は、顧客が何を求めて店舗情報にたどり着いたか、そしてその後の行動を知るための重要なデータです。この分析結果を情報発信の「鮮度」と「内容」の改善に活かします。
以下に具体的なルールをまとめました。
| ルール | 具体的行動 | 目的と効果 |
|---|---|---|
| 週次での「表示回数」と「検索クエリ」の確認 | 週に一度、GBPの表示回数の増減を確認し、どのキーワード(検索クエリ)で検索されたかをチェックする | 顧客の現在のニーズを把握し、検索クエリに合わせたGBPの投稿(例:検索が多いメニューの紹介)を増やして情報の内容的な鮮度を上げる |
| 「ルート検索」と「ウェブサイトアクセス」の分析 | どのくらいの人が来店や公式予約に繋がるアクションをしたか(アクション率)を確認する | アクションが少ない場合は、GBPの投稿や写真で公式予約の特典を再訴求するなど、導線の訴求内容を改善する |
| 写真の閲覧数と傾向分析 | どの写真(料理、内装、外観)が最も多く見られているかを分析し、閲覧数が多いジャンルの最新の写真を優先的に追加・更新する | 顧客の関心が高いジャンルの視覚的な鮮度を維持し、来店・予約への期待感を高める |
【無料ダウンロード】Googleビジネスプロフィール運用チェックリスト
飲食店向けに、Googleビジネスプロフィールの運用チェックシートを作成しました。初期設定から週次運用・月次運用でまとめています。Excelで作成しているため自由にカスタマイズいただけます。是非ご活用ください。
さいごに
飲食店向けのMEO対策について解説しました。MEO対策を講じることで、ポータルサイトに依存しない集客スタイルを確立し、広告費をかけずに高い集客効果を得られることが期待できます。本記事やダウンロード資料を参考にしていただき、飲食店の運営、集客に役立てていただければと思います。
