年々インバウンド需要が高まる現代日本において、外国人観光客への対応は集客や売上げに直結します。本記事では、エステサロンにおける英語対応の必要性からスムーズな英語対応を実現するための具体的な方法や注意点、カウンセリングシートの英文例などを詳しく解説します。
【英語版】エステ向けカウンセリングシートを無料ダウンロードする目次
エステサロンにおける英語対応の必要性
エステサロンにおける英語対応の必要性は高まっていると言えます。特に以下の理由から、英語対応ができることがサロンにとって大きなメリットになります。
インバウンド需要の高まり
日本政府観光局(JNTO)によると、2025年3月の訪日外国人観光客数は3,497,600人で前年同月比では13.5%増、3月としては過去最高値を記録しました。また、訪日外国人観光客の半数以上が「日本のエステサロンに対して利用意向がある」と回答しています。
Q:日本のエステサロンの利用意向は?

画像引用:株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミー
データ引用:訪日外客数(2025 年 3 月推計値)/日本政府観光局(JNTO)
上記のデータから分かる通り、エステサロンにおいて英語対応しておくことは集客力に直接的に影響すると考えられます。今後も外国人観光客数は増加傾向にあるという予測もあるので、英語対応を強化することで競合サロンとの差別化を図りましょう。
【英語版】エステ向けカウンセリングシートを無料ダウンロードするエステサロンが英語対応するメリット
エステサロンが英語対応することには、多くのメリットがあります。改めて具体的なメリットは以下の通りです。
集客力・売上げアップが期待できる
前述した通り、近年増加している外国人観光客向けの対応施策を行うことで、集客効果が見込めます。また、観光客は比較的高単価のメニューを選択することも多いため、直接的な売上げアップに繋がることも期待できます。国内の顧客が少ない閑散期でも、外国人観光客向けの対策を講じることで安定した売り上げに繋がります。
施術後のトラブル防止と責任明確化
役務サービスを提供するエステサロンにおいて、施術後の顧客トラブルは避けて通ることはできません。例えば「お客様にアレルギーがあることを把握せずに使用したジェルで皮膚をかぶらせてしまった」、「施術NGの疾患があるお客様に該当の施術をしてしまった」「お客様がイメージしていた施術後のイメージと異なりクレームとなった」など、内容は様々です。
上記のようなトラブルを未然に防ぐには、施術前に丁寧なカウンセリングを行うことが重要です。カウンセリングで伺う内容は専門的な事項も多いため、外国人顧客には英語で記載したカウンセリングシートを活用し両者間で認識の相違がないようにしましょう。また、施術前に取得する同意書も、英語で記載することでトラブルを防ぐことに繋がります。
多言語対応によるエステサロンの魅力向上
英語対応をしているエステサロンは、グローバルな視点を持っていることを示しブランドイメージの向上に繋がります。英語対応をしていないエステサロンとの差別化となり、競争優位性を確立することにも繋がります。また、言語面だけではなく文化面などを尊重する姿勢を見せることで多様性を示し、幅広い顧客層にアピールできます。
【英語版】エステ向けカウンセリングシートを無料ダウンロードする英語対応を行うための手順
英語対応をする際にまず何から取り組むべきか、手順について解説します。
施術メニューやカウンセリングシートを翻訳する
まずは日本語で記載されている現状の施術メニューやカウンセリングシートの翻訳から始めましょう。Google翻訳など無料で利用できる翻訳ツールもあるので、それらを利用すると効率的です。また、単に日本語を英語に翻訳するだけではなく、写真や画像を多く利用するなどして視覚情報を増やすことも重要です。どの言語のお客様が見ても、感覚的に理解できるような工夫を施しましょう。
英語のカウンセリングシートのテンプレートは下記から無料DL可能です。Excelで作成しているので自由にカスタマイズいただけます。是非ご活用ください。
【英語版】エステ向けカウンセリングシートを無料ダウンロードする英語対応マニュアルを作成する
施術メニューやカウンセリングシートの翻訳が完了したら、接客面での英語対応を整えていきます。予約から受付対応、施術中、会計時などで使われる英語表現を書きだします。それをまとめマニュアル化してスタッフに共有し、トレーニングを実施しましょう。英語が堪能なスタッフがいなくても困ることがないように、しっかり準備を行うことが重要です。また、できれば言語面だけではなく外国人のお客様の文化や習慣についても調べ、適切な対応を心がけましょう。
【無料DL】英語版カウンセリングシート(Excel)

英語のカウンセリングテンプレートを下記から無料でダウンロードいただけます。Excelファイルでダウンロード可能なので、サロンに合わせてカスタマイズしてご利用ください。
英語カウンセリングシートの文例
エステサロンで使用する英語のカウンセリングシートの文例をいくつかご紹介します。お客様の施術内容やサロンの提供サービスに合わせて適宜修正してご活用ください。
Treatment Details(施術内容)
- What treatment are you interested in today?
本日はどのような施術にご興味をお持ちですか? - What are your goals for this treatment? (e.g., Relaxation, Hydration, Anti-aging, Muscle relief)
この施術の目的は何ですか?(例:リラクゼーション、保湿、アンチエイジング、筋肉の緊張緩和) - Is there any specific area you would like us to focus on?
特に重点的に施術していただきたい部分はありますか?
Skin Condition (肌の状態)
- What is your skin type? (e.g., Oily, Dry, Combination, Normal, Sensitive)
あなたの肌のタイプは何ですか?(例:オイリー肌、乾燥肌、混合肌、普通肌、敏感肌) - What are your main skin concerns? (Please check all that apply)
主な肌の悩みは何ですか?(該当するものすべてにチェックを入れてください) - Acne / Breakouts/Dryness / Dehydration/ Oiliness/ Shine/ Redness/Fine Lines/ Wrinkles/Dark Spots / Hyperpigmentation/Dullness/ Sensitivity/ Large Pores
ニキビ/ 吹き出物/ 乾燥/ 脱水/ オイリー/ テカリ/ 赤み/ 小じわ/ シワ/ シミ/ 色素沈着/ くすみ/ 敏感肌/ 毛穴の開き - Have you had any professional facial treatments before? Yes / No
これまでにプロによるフェイシャル施術を受けたことがありますか? はい/いいえ - If yes, what kind?
はいの場合、どのような施術ですか? - What is your current skincare routine? (e.g., Cleanser, Toner, Serum, Moisturizer, Sunscreen)
現在のスキンケアルーティンは何ですか?(例:クレンジング、化粧水、美容液、保湿剤、日焼け止め)
Lifestyle (生活習慣)
- How many hours of sleep do you usually get per night?
普段、一晩に何時間睡眠を取りますか? - How often do you exercise?
どのくらいの頻度で運動しますか? - Do you smoke? Yes / No
喫煙しますか? はい / いいえ - How often do you drink alcohol?
どのくらいの頻度でお酒を飲みますか?
Consent Form(同意書)
- I understand the treatment plan and any associated risks have been explained to me to my satisfaction.施術計画とそれに伴うリスクについては、納得いくまで説明を受けました。
- I consent to receive the agreed-upon treatment. 施術を受けることに同意します。
Other(その他)
- Is there anything else you would like us to know before we start the treatment?
治療を始める前に他に何か知っておいてほしいことはありますか? - Do you have any questions or concerns?
ご質問やご心配なことはありますか?
英語対応を進める上でのポイント
エステサロンで英語対応を進める上で重要なポイントは多岐にわたりますが、特に以下の点が挙げられます。
翻訳アプリなどの無料ツール利用
英語が堪能ではない方は、ほとんどの場合Google翻訳や無料の翻訳アプリを利用して翻訳を行うと思います。しかしながら、無料の翻訳アプリは有料の翻訳サービスと比較して、翻訳精度が低い場合があります。特に専門用語や複雑な文章、文化的なニュアンスを含む表現は正確に翻訳されない可能性があるため注意しましょう。
翻訳する日本語をまずシンプルにしたり、翻訳された英語を調べたり再度日本語に翻訳するなどして、誤った表現にならないような対策が必要です。
和製英語の使用に注意する
普段の生活の中で、英語だと思って使っているけど実は日本語だった、という単語はたくさんあります。当然ながら、日本語が分からない外国人のお客様に和製英語は通じません。以下にエステサロンで利用される、間違いやすい和製英語を記載しますので、チェックしてみてください。
- エステ(esthetique)
英語では “beauty salon”、”spa”、”facial” など、具体的な施術内容によって表現が変わります。 - パック(pack)
英語の “pack” は「詰め合わせ」「荷物」などの意味合いが強く、美容の「パック」に相当する言葉としては “mask” が一般的です。 - ローション(lotion)
英語でも “lotion” はありますが、日本語の「化粧水」に近いニュアンスで使われることは少ないです。英語の “toner” や “facial mist” がより近い場合があります。 - UVカット(UV cut)
英語では “UV protection” や “sun protection”、”SPF (Sun Protection Factor)”、”broad spectrum” などと表現します。 - 乳液
これは和製英語ではありませんが、”milk lotion” とは言わないので注意しましょう。”moisturizer” や “emulsion” と説明されることが多いです。
ネイティブスピーカーによる校正を行う
翻訳アプリや自力で調べて翻訳を行った後は、英語が分かる人に通じない部分がないか、違和感を覚える部分はないかなどのチェックを行うことが重要です。ネイティブスピーカーに依頼することが理想的ですが、周りにいない方は自身よりも英語が得意な人に依頼すると良いでしょう。
また、クラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトに依頼するのも手段のひとつです。簡単な校正であれば、ネイティブスピーカーでも安価で請け負ってくれる場合もあります。
【英語版】エステ向けカウンセリングシートを無料ダウンロードするさいごに
エステ・エステサロンにおける英語対応の必要性や具体的な手順、文例などについて解説しました。今後もインバウンド需要は高まっていくと思うので、早めに英語対応しておくと集客や売上げにプラスになっていくと思います。ダウンロード資料として提供している英語版のカウンセリングシートを活用し、効率的な英語対応を目指しましょう。