【無料DLあり】エステサロン開業に必要な資金は?失敗しない資金計画を解説

【無料DLあり】エステサロン開業に必要な資金は?失敗しない資金計画を解説

エステサロン開業には、物件取得費や内装工事費などの開業前に必要なものから人件費や水道高熱費などの運転資金まで、多岐にわたる費用が発生します。しっかりとした資金計画を立てることは、エステサロン開業成功させるための重要な第一歩です。

本記事では、必要な資金の内訳や資金調達方法、資金計画の立て方を解説します。

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開業準備|エステ開業に必要な資金の内訳

エステサロン開業資金については、規模やコンセプトによって変わりますがここでは一般的な内訳とその詳細についてご紹介します。

物件取得費

まずはエステサロンとなる物件に関する費用です。項目としては以下の通りです。

  • 保証金・敷金・礼金:事業用物件を賃貸する際に必要となる初期費用
  • 仲介手数料:不動産仲介業者に支払う手数料で、相場は賃料の1ヵ月分+消費税
  • 前家賃:契約時に事前に支払う家賃

内装工事費

内装工事費はサロンの雰囲気を決定づける重要な要素であり、お客様に快適な空間を提供するためにある程度の投資が必要な部分です。主な内装工事の項目は以下の通りです。

  • 解体工事:既存の内装を撤去する費用(居抜き物件の場合など)
  • 電気工事:照明器具の設置、コンセントの増設など
  • 給排水工事:手洗い場、施術で使用する水の配管など
  • 内装仕上げ工事:壁紙、床材の張り替え、塗装など
  • 建具工事:ドア、間仕切りの設置など
  • 空調工事:エアコンの設置、換気設備の設置など
  • 家具工事:受付カウンター、収納棚などの造作
  • 装飾工事:照明器具などの設置
  • サイン工事:看板の製作・設置

内装工事費を安く抑えるためには、居抜き物件を選択する、壁の塗装や装飾など可能な範囲でDIYを取り入れる、などがあります。内装工事業者へ依頼する際にも、何社か見積もりをとるなど比較検討して選定しましょう。

設備費

設備費は、ベッドやエステ機器など施術に必要なものやお客様が快適に過ごすための備品などに掛かる費用です。一般的な項目と費用相場を紹介します。

項目 費用の目安 備考
施術用ベッド 3万円〜数十万円/台 手動式から電動昇降式、機能的なものまで幅広くあります。
エステ機器 数十万円〜数百万円/台 痩身、フェイシャル、脱毛など、提供する施術内容によって必要な機器が大きく異なります。購入またはリースという選択肢もあります。
タオルウォーマー・消毒器 数万円〜数十万円 衛生管理のために必要です。
ワゴン・スツール 数千円〜数万円/台 施術に必要な器具や消耗品を置くために使用します。
受付カウンター・チェア 数万円〜数十万円 サロンの顔となる部分です。
待合用ソファ・テーブル 数万円〜数十万円 お客様がリラックスして過ごせるように。
事務機器 数万円〜数十万円 PC、プリンター、電話、レジなど。
その他備品 数万円〜 アロマディフューザー、音響機器 など。サロンの雰囲気に合わせたもの。

広告宣伝費

開業後の集客を効率化させるためには、ターゲット顧客層に合わせた広告戦略が重要です。以下に広告宣伝費の項目と相場をご紹介します。

ホームページ作成・運営費

  • 新規作成費用:10万円〜100万円以上
    ※デザイン、機能、ページ数によって大きく変動
  • 運営・保守費用:月額5千円〜数万円
    ※サーバー代、ドメイン代、更新作業費など
  • SEO対策費用:月額数万円〜数十万円
    ※検索エンジンで上位表示させるための対策費用

ホームページはサロンの顔となる重要なツールです。サロンの雰囲気が反映されたデザインを行い、お客様が見やすくサロン側でも管理がしやすい仕様にできるように努めましょう。SEO対策も初期段階から考慮することで、長期的で効率的な集客効果が得やすくなります。

ポータルサイト掲載費

  • 掲載料:月額数千円〜数万円
    ※予約サイト、美容系ポータルサイトなど。プランによって掲載順位や情報量が異なります
  • 成果報酬型広告費:b>予約や来店に応じて費用が発生する広告モデルもあります

ポータルサイトへの掲載は、多くの潜在顧客にアプローチできるチャンスがあります。ターゲット層に合わせたポータルサイトへ掲載しましょう。

SNS広告・運用費

  • 広告出稿費用:数千円〜上限なし
    ※Facebook、Instagram、Xなど。予算や期間を設定して広告配信できます
  • SNS アカウント運用代行費:月額数万円〜数十万円
    ※投稿、キャンペーン企画、フォロワー増加施策などの代行を依頼する場合

SNSの運用によって、ターゲット層へ効率的にアプローチすることができます。ターゲット層の興味関心に合わせた発信やキャンペーンを行うことで、集客効果が期待できます。

チラシ・パンフレット作成・配布費

  • デザイン・印刷費用:数千円〜数十万円
    ※部数やデザインのクオリティによって変動
  • 配布費用:ポスティング業者への依頼費用や、スタッフによる配布にかかる人件費など

チラシやパンフレットを作成し地域住民へ配布することで、ターゲット顧客にダイレクトにアプローチすることが可能です。近隣住宅へのポスティングや折り込みチラシなどが効果的です。

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運転資金|エステ開業に必要な資金の内訳

運転資金は、事業を円滑に運営していく上で非常に重要です。一般的に、開業後数ヶ月間の運営に必要な費用を見積もっておく必要があります。ここでは一般的な内訳とその詳細についてご紹介します。

人件費

  • スタッフ、自身の給与:基本給、残業手当、通勤手当、住宅手当など毎月支払われる賃金
  • スタッフの教育研修費:スタッフのスキルアップや能力開発のための費用
  • 法定福利費:健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料など、法律で企業が負担することが義務付けられている費用

サロンオープン前や直後は、採用活動や教育研修に発生する費用も多くなる可能性があります。給与だけではなく、その他の要素も考慮してスタッフの人数を決めましょう。

水道光熱費

電気代、ガス代、水道代などの社会インフラ費用も発生します。ガス代は施術後のシャワーや冬場の暖房費、水道代もシャワーやタオルの洗濯などで発生します。電気代は、提供する施術やエステ機器によって高騰する可能性があるので注意しましょう。

通信費

スマホの基本料金や通話料、やインターネットの回線利用料が発生します。Wi-Fi環境を整備する場合は、ルーターの購入費用やレンタル費用が発生します。スマホの契約プランを見直す、格安SIMへ乗り換えることで通信費の節約が期待できます。

消耗品費

  • 事務用品費:筆記用具やプリンターのトナーやインクカートリッジ、クリップやホチキスなど事務作業で利用する備品群の購入費用
  • 日用品費:ティッシュペーパー、トイレットペーパー、洗剤、ゴミ袋などの購入費用
  • 施術用備品購入費:タオル、シーツ、その他施術備品の購入費用

保険料

エステサロンの保険料は、加入する保険の種類やサロンの規模、補償内容などによって異なります。主な保険の種類は下記の通りです。

賠償責任保険

  • 施術賠償責任保険(エステティシャン賠償責任保険):
    施術中のミスや不手際により、お客様に身体的な損害を与えてしまった場合の賠償責任を補償する保険 例:脱毛施術で火傷をさせてしまった、化粧品が合わず肌荒れを起こさせてしまったなど
  • 生産物賠償責任保険(PL保険):
    販売している化粧品や美容機器などが原因でお客様に損害を与えた場合の賠償責任を補償する保険
  • 受託者賠償責任保険:お客様から預かった荷物(貴重品を含む)の紛失、破損、盗難などにより損害を与えた場合の賠償責任を補償する保険

物件に関する保険

  • 火災保険:店舗の建物や設備、什器などが火災、落雷、爆発、風水害などの災害によって損害を受けた場合に補償する保険
  • 地震保険:地震や津波による損害を補償する保険
  • 店舗総合保険:上記の火災保険や施設賠償責任保険などをひとつにまとめた保険で、包括的な補償が得られる
  • 借家人賠償責任保険:賃貸物件の場合、火災などを起こして大家さんに損害を与えてしまった場合の賠償責任を補償する保険
  • 修理費用特約:火災保険などに付帯することで、店舗の修理費用を補償する場合がある

上記以外にも、天災や賠償事故などでサロンが休業せざるを得なくなった場合の収入減少を補償する休業補償保険スタッフの業務中の怪我や病気になった際にそのスタッフに対して補償を行う労災保険などがあります。必須加入と任意加入のものがあるので、サロンの状況や事業内容に合わせて必要な保険を選択しましょう。

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自己資金はいくら必要?少ない場合の対処法

エステサロンの開業スタイルは、主に下記3パターンがあります。

  • 自宅サロン:自宅の一室を施術室とし、サービス提供する小規模な事業形態
  • マンションサロン:マンションの一室を改装してサロンとして営業する事業形態
  • テナントサロン:商業ビルや商業施設、路面の一区画(テナント)を借りて営業する事業形態

それぞれの開業スタイルの違いは、比較表をご参考ください。

項目 自宅サロン マンションサロン テナントサロン
初期費用 低(数十万円~) 中(150万円~数百万円) 高(300万円~数千万円~)
物件取得費 0円 数十万円~数百万円 数百万円~
内装工事費 比較的安価(現状維持程度も可能) 20万円~数百万円 数百万円~
設備・備品購入費 10万円~数百万円 50万円~数百万円 数十万円~数百万円
広告宣伝費 5万円~ 30万円~ 数十万円~
運転資金 15万円~ 50万円~ 数百万円~
月々の費用 低(光熱費、通信費など) 中(家賃、光熱費、通信費など) 高(家賃、共益費、光熱費、通信費など)
家賃 0円 発生する 発生する
集客力 低(工夫が必要) 中(立地による) 高(立地による)
生活空間との分離 難しい 可能 可能
看板設置 難しい場合が多い 管理規約による制限あり 比較的容易

自己資金が少ない場合の対策

一般的に、総開業資金の3割程度が自己資金の目安と言われています。自己資金が少ない場合は、まずは自宅サロンやマンションサロンなどのプライベートサロンから始めることを検討しましょう。また、内装をできる限りDIYする、サロンの設備や備品も中古品リース品を活用するなどして、支出を抑えましょう。

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資金調達方法の種類と特徴

開業資金は自己資金だけではなく、助成金や融資、借入などで調達することが可能です。ここでは一般的な資金の調達手段について解説します。

融資

融資は、法人や個人が金融機関から必要資金を借りることを指します。主に事業資金が必要な場合に利用されます。融資にもいくつか種類があるのでご紹介します。

日本政策金融公庫の融資制度

日本政策金融公庫は、政府が100%出資する政策金融機関です。2008年10月1日に、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫が統合して発足しました。

日本政策金融公庫は、創業・スタートアップ支援に力を入れており、様々な融資制度を提供しています。民間の金融機関では融資を受けにくい創業者や中小企業も融資を受けやすく、金利も低く設定されています。融資を受けるには事業計画書の作成や面談などの審査が必要です。

参照:日本政策金融公庫公式ページ

銀行・信用金庫の融資

銀行融資とは、銀行が法人や個人に対して事業資金などを貸し付けることを指します。融資を受けた場合、借りたお金(元金)に利息を加えた金額を、定められた期間内に返済する義務を負います。

銀行側は、融資した資金が返済されるかどうかを様々な要素をもとに慎重に審査します。事業の将来性や収益性、資金使途の明確性、財務状況や返済能力、経営者自身の信用力などが審査基準となります。

銀行融資は資金調達のための代表的な手段ですが、開業実績や経営実績がない場合は審査が通りにくい傾向にあります。また、金利は政策金融公庫や制度融資と比較して高めに設定されることが一般的です。

制度融資

制度融資とは、地方自治体(都道府県や市区町村)と金融機関、信用保証協会が連携し、中小企業や小規模事業者の資金調達を支援する融資制度です。自治体によっては、信用保証料や利子の一部を補給してくれる場合があるため、事業者は低負担で融資を受けることができます。

自治体によって融資条件や手続きがことなるので、出店する地域の制度融資を調べてみましょう。

補助金・助成金

国や地方団体などから提要される返済不要の資金が、補助金・助成金です。創業支援、地域活性化、雇用促進など様々な目的で提供されます。

店舗事業者向けの助成金制度も複数あります。詳細は以下の記事にまとめていますのでご確認ください。

その他の資金調達方法

上記以外の資金調達方法として、クラウドファンディングがあります。クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める方法で、共感を得られれば比較的少額からでも資金調達が可能です。ただし目標金額に達しない場合や、支援者へのリターンの設定と実行が必要なので、活用する場合は注意しましょう。

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失敗しない資金計画の立て方

資金計画の立て方について解説します。是非参考にしてみてください。

具体的な収支計画の作成

エステサロン開業における具体的な収支計画の作成は、事業の持続可能性を判断し、資金調達を円滑に進める上で非常に重要です。

収入計画

収入計画では、どのようなサービスを誰に、どのくらいの価格で提供し、どれくらいの売上が見込めるのかを具体的に予測します。

提供メニューの単価を設定して施術回数を想定し、各メニューの売上高を単価×施術回数計算します。物販やオプションの売り上げも考慮しましょう。以下の収支計画サンプルもご参考ください。

<月間収入計画のサンプル>

メニュー 単価 施術回数 売上高
フェイシャルA 8,000円 30回 240,000円
フェイシャルB 12,000円 20回 240,000円
ボディケア 15,000円 15回 225,000円
オプション 2,000円 50回 100,000円
物販 50,000円
合計売上高 50,000円

支出計画

開業時に必要な初期費用とランニングコスト、固定費変動費を詳細に予測し支出計画を作成しましょう。

初期費用は、物件取得費や内装工事費、機材購入費などです。また3ヶ月程度の運転資金(賃料・人件費・光熱費など)を初期費用に含めておくと安心です。ランニングコストは、主に賃料や人件費、通信費、広告宣伝費、消耗品費など毎月発生する費用が該当します。保険料や機材のメンテナンス費用などもランニングコストなどに該当します。項目に抜け漏れがないように注意しましょう。

損益分岐点の把握

収入計画と支出計画を基に、月間・年間の利益を予測します。以下サンプルを掲載しますので、項目の参考にしてください。

項目 金額
売上高 855,000円
売上原価 80,000
売上総利益 775,000円
販管費 650,000円
営業利益 125,000円
営業外収益 0円
営業外費用 0円
税引前当期純利益 125,000円
法人税等 30,000円
当期純利益 95,000円

資金繰り表の作成

資金繰り表は、一定期間における現金の収入と支出を記録し、期末の現金残高を算出するものです。主な要素は以下の通りです。

  • 収入:現金が増加する要因(売上、借入金、補助金など)
  • 支出:現金が減少する要因(仕入、人件費、家賃、広告宣伝費、借入金返済など)
  • 資金収支:収入 – 支出
  • 期首残高:その期間の初めの現金残高
  • 期末残高:期首残高 + 資金収支

資金繰り表は、エステサロンの金融ヘルスチェックを行うための重要なツールです。正確な数値での作成と分析を通して、安定したサロン運営を目指しましょう。

専門家へ相談する

資金計画を立てる上で、不安な点があれば専門家に相談することは非常に懸命です。専門家の知識と経験を借りることでスムーズなスタートを切ることができるでしょう。以下、相談すべき専門家とその概要を解説します。

税理士・会計士

事業計画を作成する段階から、収支計画や資金繰りについての相談を行うことができます。資金調達方法の選定や融資を受けるための事業計画書の作成サポート、損益分岐点分析から売上げ目標設定のアドバイスをもらうなど、全般的な費用関連について相談することができます。

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対しての診断や助言を行う専門家です。エステサロンにおいては、事業計画全体の整合性、売上げ予測の立て方や資金調達方法についてのアドバイス、補助金や助成金に関する情報提供や申請サポートなどを相談することが可能です。

金融機関の融資担当者

資金調達の具体的な手段として、融資を検討し始めた際に相談しましょう。利用可能な融資制度や必要な手続きなどの詳細を説明してくれます。審査に通るためのポイントや、融資を得た後の返済計画についての相談も可能です。

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【無料ダウンロード】エステサロン開業やることチェックシート

ここまで紹介したエステサロン開業に必要なことをチェックリストとしてまとめました。下記から無料でダウンロードいただけますので、是非お役立てください。Excelファイルでダウンロード可能なので、サロンに合わせて自由にカスタマイズいただけます。

さいごに

エステサロン開業に必要な資金や資金調達について解説しました。ご紹介した内容はあくまで標準的な内容であり、エステサロンごとに変わってくると思います。本記事やチェックリストを活用し、スムーズなエステサロンを目指していきましょう。

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